作者
北森鴻
題名
狂乱廿四孝/双蝶闇草子
出版社
東京創元社
出版社による梗概
悲劇の名優・澤村田之助復帰に沸く明治3年、凄惨な連続殺人が歌舞伎界を震撼させる。どうやら河鍋狂斎の描いた幽霊画に、殺人事件の鍵が隠されているらしい。戯作者見習いのお峯はその謎解きに奔走するが??。滅び行く江戸情緒と田之助の姿をお峯の目を通して活写した、第6回鮎川哲也賞受賞作『狂乱廿四孝』。さらに、お峯たちのその後を描いた、未完の『双蝶闇草子』を付す。
定価
文庫版 本体1,100円+税
感想
しばらく浮き世とおさらばしていたもので、約半月ぶりのアップとなりました。
この間に読んだ書籍がいくつかあるので順次掲載いたします。
今の時代では夭折といっていいでしょう、北森鴻(きたもり こう)の「狂乱廿四孝/双蝶闇草子(きょうらん にじゅうしこう/ふたつちょう やみぞうし)」からです。
北森のデビュー作である「狂乱廿四孝」とその続編にあたる「双蝶闇草子」を併せたために文庫で570ページを超える厚さになってます。
「狂乱廿四孝」は既読ですが、「双蝶闇草子」は雑誌連載時に未読であり、今まで書籍化されていなかったためもあり初見です。
澤村田之助三部作としての構想はあったようですが、残念ながら著者逝去により二作目の「双蝶闇草子」が未完となりました。
未完のミステリーを発行する出版社の勇気に感謝ですね。
「双蝶闇草子」は構想全体の四割程度でしょうか、それでも200ページはあります。伏線も謎も未だ出し切っていない状態なので、旗師・宇佐見陶子を主人公にした「冬狐堂シリーズ」と双璧をなす「蓮丈那智フィールドファイルシリーズ」の未完部分「邪馬台」と「天鬼越」を完成させた北森の婚約者浅野里沙子をもってしても引き継ぐことはできなかったようです。
未完のミステリーを脳内で補完するのもたまには良いものです。それも良質な素材があってのことですけど……。
7/10点


