作者
今野敏
題名
去就 隠蔽捜査6
出版社
新潮社
出版社による梗概
続発するストーカー殺傷事件を防ぐべく、大森署にも対策チームが新設された。だがその矢先に管内で女性連れ去り事件、さらに殺人が勃発。ストーカーによる犯行が濃厚になる中、捜査の過程で署長・竜崎は新任の上役と対立してしまう。家庭でも娘にストーカー騒動が発生、公私で勇断を迫られた竜崎の去就は……激震走る第八弾。
定価
四六判変型 本体1,600円+税
電子書籍版 本体1,280円+税
感想
小説新潮に19回連載されたものが一冊になりました。
最近の作品クオリティに疑問があったため、遠ざかっていた今野作品ですが、おそらく作者が一番思い入れがあるであろう「隠蔽捜査シリーズ」の最新作で確かめたかったのです。このシリーズのクオリティまで落としてしまっては本当に今野と決別しなければなりません。
ミステリーではなく警察(官僚)小説なので、序盤で事件の真相が分かってしまうのはよしとしましょう。また、捜査が御都合主義的で穴だらけなのもよしとしましょう。水戸黄門的な予定調和でいかに読者を気持ちよくさせるかに重点を置いている作品だからです。
その点では充分読者の期待に応えられているでしょう。
現在も「棲月(せいげつ) 隠蔽捜査7」が2016年9月から小説新潮に連載中です。あたくしは未読ですが、きっと頼もしいキャラたちが活躍していることでしょう。
しかし、どうしても文章に違和感を覚えて目がつまずいてしまいます。
本書も明らかに文章構成がおかしい点が散見してます。導入部を始め要所要所は今野が書いたと思われるのですが、作中にいくつか明らかに口述と分かる描写があります。そして、やはり会話の前文に違和感があります。
あたくしは今野が口述を始めた時期を2013年頃からと推測しているのですが、それを確かめるためにこのシリーズで最も評価の高かった「果断 隠蔽捜査2」(2007年4月刊)を再読したいと思います。
再読なのでこの書評で取り上げるかは未定ですが、気付いたことがあれば書きたいと思います。
7/10点(警察小説シリーズとしての評価です ミステリーではありません)


