作者
北林優
題名
0と1の間
出版社
角川春樹事務所
出版社による梗概
パチンコ店の駐車場に遺棄された死体は、両手を縛られたうえ、撲殺されるという酷たらしいものだった。事件の捜査にあたった沖縄県警の鑑識課員、島袋俊は、この事件の手がかりを追っていくうちに、同様の殺され方をしている過去の事件へとたどりつく。そしてその線上に浮かんできたのは、自分の過去と現在をつなぐひとの影だった。母の自殺。自分を捨てた父。自分を愛し、親がわりになってくれた叔父と叔母の秘密。みずからの危うさを振り払うかのように疾走する孤独な魂を待ち受けていたのは。沖縄の灼けつくような渇きを描き切った、沖縄のミステリーが遂に登場!
定価
本体1,143円+税
感想
足かけ9年(2000~2008年)の作家人生、静かにデビューして静かに去って逝った北林優(きたばやし ゆう)。そのデビュー作品です。
ほとんど注目されなかった理由のひとつはこのデビュー作にあると思います。角川春樹事務所よ、なんでこのまま上梓してしまったのだろう?
事件も舞台も背景も良いのに、文章(文体)と構成が……もうね、自分こことを棚に上げて書きますが、理系の箇条書き的な割りに小説の体を成そうとしているので地の文と会話文が繋がらなくて読みづらいです。
作者の頭の中にあるストーリーやプロットを行き当たりばったりで書くとこのようになります、という悪例のような小説です。
その後の作品、特に鑑識経験もある作者ですから「警視庁鑑識課シリーズ」では格段に文章が上手くなっているのでこのデビュー作はもったいなかったですね。多くの読者を置き去りにしてしまったことでしょう。
上下二段組で300ページ近いので文字数で20万文字を超えているのですが、最初の3ページで放り出そうと思いました。
ジャンルとしては一応、文芸ミステリー(純文学ミステリー)と言ってよいのでしょう。それにしても、他に書きようがあるだろうと考えちゃいますね。
回想シーンの中に更に回想があったり、情報や個性が小出しなので繋げるのに苦労します。しかも作者が意図せず、結果としての小出しなので最後まで読んでも分かりづらいです。
読了した自分を誉めてやりたい!
こういう作品をスラスラ読めて、きっちり頭の中に相関図が描ける人はきっと利口な人に違いない!
サウイフドクシヤニ アタクシハナリタイ
3/10点


