作者
中尾健次
題名
江戸の大道芸人 都市下層民の世界
出版社
筑摩書房
出版社による梗概
江戸の身分社会のなかで、芸人たちはどのような扱いを受け、どんな芸をみせていたのだろうか? 被差別民と大衆芸能のつながりを探る。解説 村上紀夫
江戸の大道芸を支えた人々は、身分制社会のなかで、どのような扱いを受けていたのだろうか?町人・僧侶であっても困窮ゆえに芸で糊口をしのぐ人々や被差別民、そうした多様な芸人集団の実像など、現代社会につながる「芸能と差別」の源流へと迫る。芸人は差別されていたというイメージにとどまることなく、もう一つの大江戸社会の姿を活き活きと描き出す。
定価
本体780円+税
感想
同じ筑摩書房から上梓されている紀田順一郎の「東京の下層社会」が、明治から終戦までであるのに対して、本書はそれに繋がる江戸初期から維新までの下層民を描いてあります。
こんな目次です。
序章 都市下層民の成立
第1章 非人と大道芸
第2章 乞胸の大道芸
第3章 願人の大道芸
補章 猿飼の芸能
終章 江戸の大道芸と近代
紀田のそれが思想的にかなり偏っているのとは対照的に中尾の目は透明です。
歌舞伎好きだった作者(2012年逝去)だけあって、現代の歌舞伎を登場させ江戸の大道芸についても述べております。
他にも、軍書読み、講釈、物まね、浄瑠璃、江戸万歳、が非人(貧人)によって支えられてきたのかが分かります。
落語については全く出てまいりませんが、それでも「住吉踊(本書では住吉踊りとあります)」「まかしょ」「外記猿」など、落語好きにとっては「ほぉ」という語句が頻出します。落語でお馴染みの地名もふんだんに出てまいります。
また、圓朝はこんな事件からも創作のヒントを得たのかも? と連想させるような事件もあり、興味深く読むことが出来ました。
目次に「猿飼(さるかい)」とありますが、猿回しのことです。古くは、「猿飼」「猿曳(さるひき)」と言いました。落語では猿が出てくる噺が極端に少ないのですが、本書からその理由がうかがえます。
本書の底本は、数々の問題を起こして従業員に譲渡された三一書房のものです。
中尾健次 江戸の大道芸人 都市下層民の世界
Author:
立花家蛇足
Genre:
»
落語
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Posted by 立花家蛇足
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