麻見和史 緋色のシグナル 警視庁文書捜査官エピソード・ゼロ

    Author: 立花家蛇足 Genre: »
    Rating

    作者
    麻見和史

    題名
    緋色のシグナル 警視庁文書捜査官エピソード・ゼロ

    出版社
    KADOKAWA

    出版社による梗概
    文字マニアの刑事・鳴海理沙、最初の事件。
    発見された遺体の横には、謎の赤い文字が書かれていた――。「蟲」「品」の文字を解読すべく、所轄の巡査部長・鳴海理沙と捜査一課の国木田が奔走。文書解読班設立前の警視庁を舞台に、理沙の推理が冴える!

    定価
    本体680円+税

    感想
    副題や梗概から分かるように時系列でいうと、シリーズ既刊2作品の前段になります。
    直前に読んだ田村和大の「筋読み(すじよみ)」が不慣れな説明語りだったため目が躓いてしまいましたが、本書の作者である麻見和志はさすがに説明語りが熟れているのと、
    前職のシステム開発が題材のため冴えてます。
    シリーズ前二作で鳴海とコンビを組んでいる八代とは違った意味で今作の国木田も名コンビです。所々差し挟む微笑ましい会話にも好感が持てます。

    現在、テレビ朝日系列でドラマ化されておりますが、原作者として言いたいことは山ほどあると思います。この原作であのドラマ内容では……。作者が批判していない以上、多くは語りませんが、忸怩たる想いは麻見のブログなどからも伝わってきます。柵(しがらみ)とは面倒なものですね。

    麻見にしては珍しく他作品(警視庁捜査一課十一係シリーズ)の登場人物が語られます。堂場瞬一ほどしつこくなく、こんな遊びは好きです。

    さて、本作ですが全300ページ中240ページまでは本当に良かったです。捲る手が止まりません。
    ですがその先がいただけません。酷いです。こんな結末を書くぐらいなら書かない方がまだ増し! 少し大げさに言いましたが、もしお読みになるのなら240ページでお止めください。読者が考えた悪い結末のさらにその下を行きます。
    加筆修正を期待したいです。その際、決してドラマに足を引っ張られないようにお願いします。

    /10点(240ページまでだったら9点なんだけどなぁ)

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