松井今朝子 料理通異聞

    Author: 立花家蛇足 Genre: »
    Rating

    作者
    松井今朝子

    題名
    料理通異聞

    出版社
    幻冬舎

    出版社による梗概
    江戸に一代で名を轟かせた料亭「八百善」。料理を文化にした男、栗山善四郎の一代記! 天明二年。江戸は大地震に見舞われた。まだ騒然とした空気が残る中、栗山善四郎は御金御用商・水野家で、料理に関係のない奉公生活を続けている。 料理屋の自分が、元服した今になってなぜこの家に預けられたのか? 家人たちの様子から、善四郎はうっすらと自らの出生の秘密を感じ取っていた。 困っている者を見ると放っておけなくなる性分から、ある日、貧乏旗本の娘、千満の病床の父親に料理を届けるが、ほどなく千満は姿を消す。自分でも驚くほど気落ちした善四郎は、千満への想いにようやく気付くのだった。 実らなかった恋を抱えながらも、水野の主人の供として評判の店「升屋」を訪れた善四郎は、江戸一の潮汁を堪能し大いに満足する。手持ち無沙汰に廊下に出たところへ、庭から白い鞠が飛び込んでくる。「遅い、遅い」と笑いながら鞠をせかす相手は、相当な身分の様子。これが、姫路藩主の次男にして、江戸を代表する文化人として名を馳せる、後の酒井抱一との出会いであったーー。 相次ぐ天災と混乱の時代に、料理の才覚と突出したプロデューサー資質で頭角を現し、ついに一料理屋を将軍家のお成りを仰ぐまでの大料亭にした、栗山善四郎。 大田南畝、酒井抱一、葛飾北斎――そうそうたる時代の寵児たちとの華やかな交遊、そして、想像をかき立てられる江戸料理の数々が登場! ! 祇園「川上」を実家に持つ松井今朝子が、満を持して描く江戸料理の世界! 栗山善四郎、八百善の大躍進にご期待下さい。

    定価
    四六判 本体1,600円+税

    感想
    先日読んだ百川本が箸にも棒にもかからない酷いものだったので、直木賞作家の八百善で気分転換を図ってみました。
    百川同様に八百善も落語に登場いたします。イッチ有名なところでは『大仏餅』でしょうかね。本書には落語のらの字もありませんが……。

    新聞連載をもとに加筆訂正したとありますが、もう少しきちんと加筆してもらいたかったです。
    たびたび登場する説明文的な描写で食傷気味です。そして料理がちっとも美味しそうじゃありません。食べる描写が極端に少なく八百善の古典籍「料理通」をなぞったに過ぎません。

    料理が主役なのか、人が主役なのか、歴史が主役なのか、どれも中途半端で書き切れてませんでした。単に作者が書きたいことだけを書いたように思えます。
    全四章中の第一章で期待したのですが、尻すぼみの駆け足状態で、全体にあらすじを読まされているような心持ちがします。
    連載時に配分を間違えた結果でしょうか?
    書籍化にあたって全面改稿してもよかったですね。

    /10点

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