作者
堂場瞬一
題名
Killers(上)
出版社
講談社
出版社による梗概
殺人者は、いつの時代にも存在する。
2020年東京五輪に向けて再開発が進む渋谷区のアパートで、老人の他殺体が発見され、かつての名家の人間だったことが判明する。いったい、この男は何者なのか――。
五十年、三世代にわたる「Killers」=殺人者の系譜と、追う者たち、そして重なり合う渋谷という街の歴史。
警察小説の旗手・堂場瞬一のデビューから100冊目を飾る、記念碑的文芸巨編1500枚!
捜査I
第一部 十字の男 1961
捜査II
第二部 後継者 1985
定価
本体1,800円+税
感想
梗概でお分かりのように400字詰原稿用紙1,500枚の大作です。文芸巨編とありますが、巨編ではあっても文芸はちょっと違うかな?
佐々木譲の「警官の血」を意識して書かれた作品だと感じました。警官の血は谷中を舞台にした警察官三代の物語でしたが、こちらは渋谷が舞台で、もう少し人物の関係図が入り組んでます。やり過ぎた感は否めませんが、下巻まで繋げるストーリーは巧みです。
また読書済みは上巻だけなので、作品の感想というよりは少し気になった言葉をいくつか……。
・殺人事件であるというだけでぞっとしないのに……
・殺人事件であるというだけでぞっとするのに……
この二文の意味の違いはお分かりいただけますでしょうか?
さほど違いはありません。強いて違いをあげれば、上はいい気持ちがしない、下はそこに恐れが入るくらいでしょうか。
本作には両方の表現が出てきます。両方を使った作品は初めて経験しました。二つの用法に、さほどページ数が空いていないので、確信犯的に使ったのでしょう。
1985年の場面でコンビニという略語が出てきますが、一般化したのは1988年以降なので、そぐわないと思うのです。実際に「コンビニ」という単語が現代用語の基礎知識に掲載されたのは1990年からです。
もう一つ、東京生まれで東京育ちの人間が1960年代には絶対使わない言葉「嫁」が使われていました。自分の妻という意味での「嫁」です。その頃の東京で「嫁」というと、息子の配偶者のことを指します。自分の妻を嫁というのは東京では今世紀に入ってからのことではないでしょうか? あたくしは今でも使いません。
かなり周到に準備をして書かれた作品であるのは間違いありません。下巻も楽しみです。
7/10点 (上巻だけの評価です)
堂場瞬一 Killers(上)
Author:
立花家蛇足
Genre:
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堂場瞬一
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Posted by 立花家蛇足
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