堂場瞬一 夏の雷音

    Author: 立花家蛇足 Genre: »
    Rating

    作者
     堂場瞬一

    題名
     夏の雷音

    出版社
     小学館

    出版社による梗概
     著者渾身!史上初の神保町ミステリー登場
     神保町のギターショップから消えた1億2000万円のエレキギター。それはアメリカのオークションで落札されたギブソン58という幻の名器だった。盗難にあった店のオーナーはその後謎の死を遂げる……。神保町にある明央大学法学部准教授の吾妻幹は生まれも育ちも神保町。愛する街で起こった謎の殺人事件を追跡することに。教え子の女子大生を助手にして調べていくうちに億単位の値がつくヴィンテージギター業界の内情、オークションの世界のからくりを知る。そんな吾妻の前に地元神田署の刑事が立ちはだかるが……。
    実在の神保町名店の数々も登場。史上初の神保町ミステリー、一気読み必至の一冊。

    定価
     本体1,700円+税

    感想
     西洋音楽に造詣の深い作者が温めてきた題材なのだろうと推察しますが、最近の堂場作品と同様にシチュエーションにのみ特化して人物の造型が浅い印象を持ちました。
     堂場はじっくりと描けるシリーズものは良作を生み出しますが、単発もの、特に最近の作品は、作品の設定を変えただけでどれも同じストーリーになっているのがファンとしては残念です。
     本書224ページで重要な証言が語られますが、それが253ページでは作者自身が否定するような表現があります。224ページのことを堂場さんは忘れてしまったのでしょう。ミスリードとかレッドヘリングではなく単なる物忘れだと思います。
     もう少し腰を落ち着けて作品に向き合っていただきたいです。
     このブログを読まれる方で堂場作品が未読、という方は少ないでしょうが、堂場作品をこれからお読みになろうという方は、是非ともシリーズものから入っていただきたいです。
     相変わらず、料理シーンというか男の朝食シーンなのですが、コーヒーといいシンプル料理といい、とても魅力的に描かれています。日明恩(たちもり めぐみ)の『武本&潮崎シリーズ』で武本の朝食シーンと双璧です。

    10点

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