堂場瞬一 十字の記憶

    Author: 立花家蛇足 Genre: »
    Rating


    作者
    堂場瞬一

    題名
    十字の記憶

    出版社
    角川書店

    出版社による梗概

    新書版
    同じ過去を背負った刑事と新聞記者が惨殺事件を追う。
    元市長の息子が大学跡地で惨殺死体で発見された。新聞記者の福良と県警捜査一課の刑事・芹沢が事件を追う。ふたりは高校時代の同級生だった。彼らの背負った同じ後悔が事件のカギを握っていた……。

    電子書籍版
    高校の同級生だった刑事と新聞記者。ふたりは同じ後悔を背負っていた。警察小説の旗手が初めて挑んだ、青春×警察ミステリ! 20年前にできなかったことを、俺たちが始めるんだ──。

    新聞社の支局長として20年ぶりに地元に戻ってきた記者の福良孝嗣は、着任早々、殺人事件を取材することになる。被害者は前市長の息子・野本で後頭部を2発、銃で撃たれるという残酷な手口で殺されていた。一方、高校の陸上部で福良とリレーのメンバーを組んでいた県警捜査一課の芹沢拓も同じ事件を追っていた。捜査が難航するなか、今度は市職員OBの諸岡が同じ手口で殺される。やがて福良と芹沢の同級生だった小関早紀の父親が、20年前に市長の特命で地元大学の移転引き止め役を務め、その後自殺していたことがわかる。早紀は地元を逃げるように去り、行方不明になっていた……。

    定価
    新書版 電子書籍版ともに本体1,700円+税

    感想
    新書版の梗概はよいのですが、電子書籍版の梗概はいただけませんね。ストーリーのネタバレしています。作品の触りになってしまってますよ。
    ※触り:導入部分のことだと思っていた時期が私にもありました。正しくは義太夫用語ですね。
    学研国語大辞典では、「本来は、他流にさわる意で、義太夫節以外の他流の曲節をとり入れた部分を意味する。」〔転じて〕「話のポイントとなるところ。」とあります。
    広辞苑では、「一般的に話や物語などの要点、または、最も興味を引く部分。」となります。

    それはともかく、相変わらず食事シーンは作者が楽しんで書いているのが分かります。心情と相まって上手いですね。
    月刊野性時代に1年間全12回(全12話)で連載されたものです。そのせいかどうか、10話から結末まで急いだ感があります。明らかに作品のスピード感ではなくて、性急になったことは否めないでしょう。あと2回くらいは連載を延長してでも、きっちりと書ききってもらいたかったです。

    二人の主人公の後悔につながる動機付けが弱いように思いました。もっと書き込めたでしょう。
    強迫状を記者にあっさり開示するのはいかがなものでしょうか?

    別にトリックや謎解きが主眼ではなく、必然を積み重ねて人物の心象風景を浮かび上がらせることだと思うのですよ、堂場作品の真骨頂は。

    それでも楽しくワクワク読めます
    /10点

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