今野敏 真贋

    Author: 立花家蛇足 Genre: »
    Rating

    作者
    今野敏

    題名
    真贋

    出版社
    双葉社

    出版社による梗概
    盗犯を担当する警視庁捜査三課のベテラン刑事・萩尾と、その部下の女性刑事・秋穂。テレビドラマ化もされた話題作『確証』で活躍した刑事達が帰ってきた! 窃盗事件の報に臨場する萩尾と秋穂。その手口を見て、常習窃盗犯・ダケ松の仕業だと見抜く。やがて、ダケ松が逮捕される。面会した萩尾は、その供述に疑問を持つ。どうやらダケ松には弟子がいるらしい……。国宝が展示される陶磁器展が絡み、二転三転する捜査。果たして真犯人は? その手口は? 錬達の警察小説。

    定価
    本体1,600円+税

    感想
    短編集で始まったこのシリーズ、その後長編が続きます。シリーズ三作目のテーマは、梗概でお分かりのように師弟です。

    ちょーーっと待った!!!
    お前は今野敏作品とは決別したんじゃなかったのか?
    はい! そうなんです。決別しました。
    でもね、この本はいつの間にかあたくしの書架に紛れ込んでいたのです。それもアンティーク関係の書籍に挟まれて……。購入した覚えがないのです。何でこんな本を買ったのだろうかとあとになって購入動機が不明になる書籍はありますが、購入したことを覚えていない本は経験がありません。
    How to hold-up a Bank」という洋書を銀行強盗のやり方と勘違いして購入したのは、都筑道夫でしたね。内容は「土手の修繕方法」だったようです。

    きっとどなたかがあたくしに黙ってコッソリと書架に納めたのでしょう。そう思うことにします。

    読みました結果、そのどなたかを恨みます。
    今野作品は読みやすい。
    言い換えましょう。
    今野作品はサクサク読める。
    これも言い換えましょう。
    今野作品は中身が薄い。
    どれでもいいんですが、とにかく会話文主体で地の文も改行が多く、ページ数の割に読み応えがありません。口述しているため表現が単調で一本調子です。描写に深みもありません。

    自分のことは棚に上げ、気づいた点を……。
    唐三彩(とうさん)のルビを「とうさん」としてはダメでしょう。通常の誤植であればいいのですが、本書の主題は中国陶磁器です。今期のドラマ「地味にスゴイ!校閲ガール」(あたくしは見ておりませんが)で校閲の大切さをまなn 以下略。
    139ページで、あらかじめ搬入が深夜未明と聞いているのも関わらず、167ページでは、その時間が午前一時と分かると、主人公は「ずいぶんな時間だな」と感想を述べます。あれあれ、139ページのことを作者は忘れてしまったのでしょうか? この辺も口述の弱さが出ているように思います。
    盗犯刑事がチラシにある曜変天目に気づかないはずはありません。
    陳腐なトリックのために必然性をないがしろにしています。こんなトリックを考えている暇があったら人物描写に力を入れていただきたいです。
    一部クサい描写があります。どなたかの落語独演会を見ているようなクサさです。こちらが恥ずかしくなります。

    月刊「小説推理」に連載された作品ですが、ミステリーではありません。警察関係者などを除くと登場人物が一人しかいません(相変わらず登場人物が少ないです)。登場した瞬間にこの人物が犯人と分かってしまいます。かといって警察小説かと言われると……。まあ刑事が主役ですから……。多くは言いますまい。
    ちなみに出版社の梗概にあります「錬達の警察小説」は「練達」の誤植です。校閲の大切さをまなn 以下略。
    カヴァー写真も作中で重要な役割を果たすディンプル錠ではなく、平凡なシリンダー錠なのはなぜでしょうか? 意図が分かりません。

    がらりと気分を変えて、「小説推理」のHPを見ていたら、日明恩(たちもり めぐみ)の「武本&潮崎シリーズ」の連載があるではありませんか! このために月刊誌を購入することはありませんがシリーズ第四弾「ゆえに、警官は見護(みつめ)る」出版を心待ちにいたします。オレそれまで長生きするんだ~(死亡フラグ?)

    /10点

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