岡本和明
題名
昭和の爆笑王 三遊亭歌笑
出版社
新潮社
出版社による梗概
三代目は死んでいない。いまも私たちを寄席に導いてくれている。―四代目三遊亭歌笑 「珍顔」で戦中~戦後の落語界を席巻。33歳で進駐軍の車に轢かれて即死。初めて描かれるその全生涯!
あまりのエラ張りで「珍顔」と揶揄されながらも、戦中戦後を笑いで席巻した元祖爆笑王・三遊亭歌笑。占領軍の車に轢かれて即死するまでのわずか33年の生涯を、貴重なエピソードを交えながら活写する。
定価
本体2,000円+税
感想
不思議なのであります。版元である新潮社のデータベースから本作の情報が消えております。僅かに著者紹介に記載されているだけです。絶版にする予定なのでしょうか? 書店にはまだ幾らか在庫があるようですが、重版できない問題でも起きたのでしょうかね。
実は三遊亭歌笑のことを文字に起こそうと考えておりました。色川武大(ピカレスク小説家としての別名:阿佐田哲也でも有名です)と袖すり合った縁がありまして、色川が歌笑のことを小説にしようとして、あまりにかわいそうで書く気にならず断念したと聞きました。ならば俺が! ではありませんが、構想だけは練っておりましたところ、本書を知りました。
読んでの感想ですが、ここまで書かれてあれば、なにもあたくしが書く必要はないなぁ~と……。
作者は浪曲師桃中軒雲右衛門の曾孫にあたる方です。もちろん雲右衛門に関する著作もあります。
本作ですが、我々が知ることのできる歌笑という噺家の人生ついて網羅されているといっていいと思います。
貴重な写真も多く載っていますし、カストリ雑誌『夫婦生活』の昭和25年7月号に載った死の直前の大宅壮一との対談写真も見ることができます。
その対談後に、銀座6丁目の電車通りを横切ろうとして、都電の影から突如現れたジープに大きく跳ね飛ばされました。即死です。昭和25年5月30日、享年33歳でした。そのまま進駐軍のジープは逃げ去り、目撃者は大勢いたもののついには有耶無耶になってしまいました。
当時の朝日新聞は、進駐軍に配慮したのか、歌笑死すの一報には、『進駐軍』の文字も『ジープ』の文字も載せませんでした。
出版社の梗概では轢かれたとなっておりますが、正しくは跳ね飛ばされたようです。
歌笑をモデルにした、映画「おかしな奴」では三遊夢歌笑として、ドラマ「おもろい夫婦」では三遊亭歌笑として、どちらも渥美清が演じました。
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| 映画 「おかしな奴」 1963年 東映 |
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| ドラマ 「おもろい夫婦」 1966年~1968年 フジテレビ |




