徳間文庫編集部 妙ちきりん 「読楽」時代小説アンソロジー

    Author: 立花家蛇足 Genre: »
    Rating

    作者
    徳間文庫編集部

    題名
    妙ちきりん 「読楽」時代小説アンソロジー

    出版社
    徳間書店

    出版社による梗概
    「江戸っちゅうのは、どないなとこなん?」お伊勢参りをする犬のシロは道中、江戸から来た老犬・雪と出会い旅することに。ところが化け物と遭遇し――(「件の夢」小松エメル)佐々木小次郎との仕合、逃げてしまおうか、迷った宮本武蔵。そんな折、身に覚えのない子に名をつけ親になるようせがまれたり――刻限に間に合うのか?(「異聞 巖流島決闘」天野純希)今読んでおきたい時代小説作家が集結!

    定価
    本体640円+税

    感想
    出版社の梗概には2作家しか記載がないので、全員書きます。
    小松エメル「件の夢――シロの伊勢道中――」、天野純希「異聞 巖流島決闘」、仁木英之「魔王の子、鬼の娘」、輪渡颯介「あけずのくらの」、毛利亘宏「妖刀・籠釣瓶(かごつるべ)」、乾緑郎「隠神刑部(いぬがみぎょうぶ)」、以上6作品からなるアンソロジーです。
    「妙ちきりん」という題名が示すように、なんとも妙ちきりんな作品集でした。これを時代小説と言ってはダメですね。あたくしは認めません。本職の時代小説作家に失礼です。
    落語に喩えますと、落研の大学生が自作の新作落語を、「これが人情噺だ!」 として高座にかけるようなものです。ひょっとしてこの「妙ちきりん」という書題は出版社が自嘲の意味で付けたのでしょうか? それほど時代小説としての態をなしていないものが多かったです。ただ単に時代背景を江戸にしたラノベですね。

    梗概にあります「件の夢――シロの伊勢道中――」と「異聞 巖流島決闘」は、それぞれ落語から材をとった表現や描写が散見しています。決して落語を題材にするなとは言いませんし、あたくしも落語から多くの恩恵を受けておりますが、創作者として底が浅いのはいかがでしょうか?  あたくしごときに、それ(落語由来の題材)とわかるようでは精進が足りません。

    逆に、「妖刀・籠釣瓶(かごつるべ)」はもっと落語の廓話を聴いて勉強しなさいと言いたいです。吉原の描写や用語が滅茶苦茶です。

    上位から順位を付けますと、
    「件の夢――シロの伊勢道中――」
    「あけずのくらの」
    「妖刀・籠釣瓶(かごつるべ)」
    「異聞 巖流島決闘」
    「魔王の子、鬼の娘」
    「隠神刑部(いぬがみぎょうぶ)」
    となりますが、どれもお薦めいたしません。それでも読んで腹を立ててみたい方はどうぞ…… (^^)

    /10点

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