作者
今野敏
題名
豹変
出版社
角川書店
出版社による梗概
少年、少女たちが突如、人を襲い始めた。 事件の背後に一体何が?
世田谷の中学校で、三年生の佐田が同級性の石村を刺す事件が起きた。だが、取り調べで佐田は何かに取り憑かれたような言動と行動で警察署から忽然と消えてしまった──。刑事と祓師が、不可解な事件を追う、長篇小説
定価
新書版 本体1,600円+税
電子書籍版も同上
感想
相変わらず導入部は箇条書き的に進みます。この部分だけ読むと今野敏は口述作家か? と思ってしまいますね。祓い師、鬼龍光一シリーズと単発の中間のような作品です。それ故に、関係者の描写が単発もののような表現があります。シリーズを読み続けた読者にとっては、違和感があるし、初見の読者にはありがたいし……。このあたりの塩梅は難しいですね。読者の平均年齢が35歳、女性比率60%の月刊野性時代に連載ということも関係あるでしょうが、作者にとって痛し痒しですね?
今野作品の多くは会話文が主体ですが、その会話に繋がる前文が下手です。
○○は言った。
○○は尋ねた。
などなどパターンが決まってます。
そのため、会話における強烈な個性を発揮する、隠蔽捜査シリーズの竜崎のような登場人物でないと、感情移入するのは難しいですね。もしくは、安積班シリーズの安積のように坦坦とした性格の人物に合った手法だと思います。
本作を読んで改めて思いました。今野敏は口述筆記でしょう。正しくは、口述作品と直筆作品とを分けていると思います。今後の新刊も読み進めたいと思いますが、その辺りも楽しみになりました。
口述のため、難しい表現や込み入った描写がないのでサクサクと読み進められます。このサクサク感は最近の今野作品に共通ですね。なにか、お菓子か揚げ物の表現みたいですが……。好みが分かれると思います。
蛇足ですが、登場人物の与部を見て、山田正紀作品の登場人物ヨブを思い浮かべる読者も多いのではないでしょうか?
4/10点(もう少し起承転結の転が欲しかったです)


