作者
植村峻
題名
紙幣肖像の近現代史
出版社
吉川弘文館
出版社による梗概
偽造防止などのために不可欠な紙幣の肖像画。神功皇后から福沢諭吉まで、肖像が選ばれた時代背景を明らかにし紙幣の歴史を描き出す。
定価
本体3,500円+税
感想
吉川弘文館は安政4年(1857年)創業の人文書出版社です。これより古い出版社は、永田文昌堂(菱屋文昌堂)、平楽寺書店、法藏館(丁子屋)の三社だけだと思います。カラー印刷の歴史書が主力出版物です。
この『紙幣肖像の近現代史』も3,500円と高額なため、図書館で借りました。もちろん小説ではなく、書名が示す通り日本の紙幣に描かれている肖像についての歴史書です。
そこに記載されている情報は詳しく、一般には秘匿とされている肖像を描いた工芸官(図案官)と原版彫刻をした工芸官(彫刻官)の氏名も載っています。
著者の植村峻(うえむら たかし)は印刷局の工場長などを歴任した強者(つわもの)であります。他の紙幣や切手にまつわる物を著わしてます。そこには製造物としての紙幣への愛情は基より、そこに携わった人々への深い尊敬が込められています。
もっとも、この本を手にしようとお考えの方は少ないのも現実でしょう。私のように小説を書くにあたっての参考文献として読む方、または印刷(特に紙幣印刷)フェチの方、などくらいしか思い浮かびません。
ご興味のある方は是非図書館でお借りになって、何枚かの紙幣とルーペをお手元に置いて読んでいただきたいです。


