作者 内田康夫
題名 教室の亡霊
出版社 光文社 出版社による梗概 新人英語教師・梅原彩が勤務する春日中学校に、刑事がやって来た。死体で見つかった元教師・澤吉博のポケットに、彩とのツーショット写真が入っていたという。身に覚えがなく、自分を疑う警察の捜査に嫌悪と不信が募る──。事件に巻き込まれた彼女を助けてほしいと依頼された浅見光彦が見る、学校現場の闇とは! 現代の教育問題に迫る、必読の長編推理小説。
定価 本体740円+税
感想 元は中央公論に掲載された連載作を大幅加筆訂正して中央公論社から刊行された作品です。このたび光文社文庫から発刊されました。
中央公論連載中に大分県で教員採用汚職問題が発覚しました。それを受けて方向転換をせざるを得なかった苦労は作者のあとがきに記されております。
あたくしも最近「徳川家の大坂幕府構想」の報に接し、執筆中の作品の方向転換を図っている最中です(^^)
やはり内田康夫はうまいですね。決して登場人物の個性を大げさに立たせず、それでいて読者にとって気になる存在として印象に残す。巧みです。表現が目に障らないのです。作品に没頭できます。書籍化に際してあらたに挿入されたエピローグ以外、序盤は特に物語は動きませんが、それでも読者に興味を持って読ませてしまううまさがあります。
ただし、ミステリーとした場合少々小ぶりであるのが難点でしょうか? それが現実に起きた「教員採用汚職問題」に起因したものかは分かりません。
作者のあとがきとあわせて読むと苦労も分かって面白かったです。
7/10点


