作者
倉阪鬼一郎
題名
味の船 小料理のどか屋 人情帖9
出版社
二見書房
出版社による梗概
涙なしでは読めない!
もと侍の料理人時吉に病床の殿が最後の願い。
あくまでも包丁人として、深い縁のある殿に……
遠い国許で身罷られる前に、江戸の料理をいま一度召し上がっていただきたい
山間の小藩、大和梨川藩城代組小頭の磯貝徳右衛門は、故あって武士を捨て江戸に出、料理人時吉となった。今は女房のおちよとともに岩本町にその見世ありと評判の小料理のどか屋のあるじである。そこに常連の二人の大和梨川藩士が顔を見せて、相談事があるという。遠い国許で闘病中の藩主に、身罷られる前にもう一度、江戸の料理を食していただきたいというのである。
****今回登場するお料理****
鮟鱇(あんこう)鍋
寒鰤の付け焼き
椎茸の焼き浸し
はま吸い
浅蜊の酒炒り
利休飯
江戸玉子飯
若狭汁(江戸の味噌汁)
金玉糖
風呂吹き大根
牛蒡の鰹まぶし
******************
定価
文庫版 本体648円+税
電子書籍版 同上
感想
シリーズ三連続での書評です。
今まで気づきませんでしたが、この「小料理のどか屋」シリーズは電子書籍化もされていました。申し訳ありませんでした。価格は文庫版と同じです。
一作前の書評に書きましたが、作者が本作を早く書きたかった意味がわかりました。これまで引きずっていたことの始末をつけたかったのだと思いました。二本差しを包丁に変えた時吉のそれまでの人生との本当の別れとでもいいましょうか。一つの区切りといえるでしょう。
武家言葉がいちいち良いですね。引用することは失礼と思って今までほとんど小説からの引用はしなかったのですが、失礼を承知で引用します。お許しを……
(2文引用)
「殿にいま一度、江戸の料理をお召し上がりいただきたいと、風花峠を越えてまかりこしました」
「まごうかたない、江戸の、味であった……礼を申す」
(引用ここまで)
あたくしはこの部分で目から水ならざるものが……。
本当は8点、いや9点を付けたかったのですが、猫の伏線(とまでは言えないかもしれませんが)の回収に難ありだったので点を下げました。単にあたくしの好みの問題です。
次作からの動きに期待します。
『今回登場するお料理』の下から三品目、読みに気をつけて下さいまし エヘヘ
浅蜊佃煮と牛肉の時雨煮でも作ろうかしら (^^)
7/10点


