作者
原宏一
題名
ヤッさんII 神楽坂のマリエ
出版社
双葉社
出版社による梗概
大好評『ヤッさん』、待望の続編! 念願かなって神楽坂でカフェを始めたマリエは、すぐに行きづまった。銀座の路上を彷徨っていたところを、「誇り高き宿無し」であるヤッさんに手を差し伸べられる。ヤッさんは築地市場や料理店を駆け回り、仲買人と料理人の相談に乗っているという。自分の何が間違っていたのか悩むマリエは、ヤッさんに弟子入りし、新たな道を探っていく。
定価
新書版 本体1,500円 + 税
文庫版 本体657円+税
感想
双葉社のHPで最初の数ページが立ち読みできます。嬉しいことに、双葉社のHPでは多くの書籍が立ち読みできます。表紙と目次を含めて8ページほどですが、文体や冒頭の描写で引きつけられたら、是非手にとってください。別に私は双葉社の回し者ではありません。念のため……
この「ヤッさんシリーズ」は主に食の周辺を取巻くことどもを題材にしたユーモア人情小説です。すでに第3作まで出版されています。その2作目が本書になります。
主人公のヤッさんの啖呵風の会話もすんなりと耳に入ってきて読み易いです。映画「男はつらいよ」の寅さんが語っているようです。
2作目で、しかも、作者お手の物の題材ですので、サクサクと読み進められるのですが、ただそれだけの作品のように感じました。
短編6作の連作ですが、その中のいくつかに悪意を登場させています。シリーズ1作目から考えると、そこまでこの作品世界にそぐわないことをしなくても、充分に書けるだけの技量のある作家ですから、手抜きが残念ですね。
今作のもうひとりの主人公「マリエ」について、
最後まで人物が安定していませんでした。マリエの言動に納得感を得られませんでした。作者の都合のいいようにその時時で使い分けているようです。また、その言い訳を文中でマリエに語らせるのも、いかがなものでしょうか?
作品に対する志が低きに流れてしまったようです。書きやすく、書きやすく、そのためには多少の違和感に目をつぶって書き進めたのでしょうか?
このシリーズは楽しみにしていただけに寂しくなりました。このシリーズはもう読みません。
3/10点


