作者
レイ・ブラッドベリ 翻訳:小笠原豊樹
題名
火星年代記〈新版〉
出版社
早川書房
出版社による梗概
火星への最初の探検隊は一人も帰還しなかった。火星人が探検隊を、彼らなりのやりかたでもてなしたからだ。つづく二度の探検隊も同じ運命をたどる。それでも人類は怒涛のように火星へと押し寄せた。やがて火星には地球人の町がつぎつぎに建設され、いっぽう火星人は……幻想の魔術師が、火星を舞台にオムニバス短篇で抒情豊かに謳いあげたSF史上に燦然と輝く永遠の記念碑。著者の序文と2短篇を新たに加えた〔新版〕登場!
定価
本体940円+税
感想
新たにSFの構想を練っておりまして、その参考にと再読です。以前は旧版でしたが、当時は1999年から始まった年代も31年がプラスされたり、短編も追加されているので、新版を読むことにしました。
SF好きな方にとってはなにを今更!? でしょうし、SFに興味のない方にとっては「ブラッドベリ!? なにそれ? イチゴの新種?」でしょう。ことさら本作品の内容には触れません。
読む方の立ち位置(アイデンティティ)によって感想が違ってくる作品です。
その昔、あたくしが中学三年生の時ですが、国語の教科書に吉行淳之介の「童謡」が載りました。その前の授業で読んだヘルマン・ヘッセの名作「車輪の下」と比較して教師がこんな質問をしました。
「車輪の下と童謡のどちらに感銘を受けたか? 童謡のほうにより感銘を受けた人!?」
クラス40人の中で手を挙げたのは、あたくしと女生徒が一人、二人だけでした。
教師がなぜこの様な質問をしたのか長年不思議でした。10年の後、吉行に傾倒していたあたくしは彼の対談集を読むとそこには、「童謡に深い感銘を受ける生徒は、他人の感受性を享受出来るかというリトマス試験紙のような作品……」(あたくしの意訳です)とありました。ああ~、教師の質問はこのことだったのかと得心いたしました。吉行のご母堂であるあぐりや吉行と内縁関係にあった宮城まり子と縁が出来たのは、それからまた10年後のことでした。
時が過ぎて、あたくしは中学の同窓会で挙手をした女生徒と35年ぶりに再会いたしました。機会があってその女性に件の童謡のことを話すと……、まったく覚えてらっしゃいませんでした。
そこから昔のことが呼び水になって二人は生さぬ仲、と吉行の作品のようにはなりません。まあ、人生はそんなものです。
脱線して、本作品とは関係がなくなってしまいました。
6/10点
レイ・ブラッドベリ 火星年代記〈新版
Author:
立花家蛇足
Genre:
»
SF
Rating
Posted by 立花家蛇足
Posted on

