藤原審爾 繪本の騎士

    Author: 立花家蛇足 Genre: »
    Rating

    作者
    藤原審爾

    題名
    繪本の騎士

    出版社
    実業之日本社

    出版社による梗概
    なし

    定価
    絶版

    感想
    以前この書評で昭和の短篇一人一冊集成を取り上げた藤原審爾をどうしても読んでみたくなり、図書館で調べたところ、この一冊だけ所蔵されておりました。そこで、慌てて取り寄せました。現在藤原の著作はほとんどが絶版で、古本としても世に出ることは稀で貴重です。
    これだけの作品を遺した作家ですからもっと再版や復刻されてもいいと思うのですがね。

    先の「昭和の短篇一人一冊集成」とは表題作「繪本の騎士」が重複する短編集です。
    純愛小説集と副題があり、「純愛小説」ってどんなだろう? との思いで読み始めました。
    結果、不肖あたくし立花家蛇足、この歳にして初めて純愛とは何か? を知ることとなったのです。
    恋愛小説ではなく純愛小説なのです。
    恋愛や純愛という言葉に抱く想いは人それぞれで、川端康成の「伊豆の踊子」を恋愛小説とする方もあるでしょう。
    ですが、ここにはまさに純愛が書かれておりました。清々しいまでの純愛です。さすが小説の神様といわれた作者だけのことはあります。

    この本の発行は35年前で、この本は活版印刷です。いわゆる活字で組まれた本になります。初版であるため、所々活字が逆に組まれていてニヤニヤしてしまいました。裏の文字が表から透けて見える裏抜けなど懐かしい思いで読むことも出来ました。

    こんな作品に憧れますが、一生掛けても書けないだろうな……。
    収録作品を挙げておきます。
    ・ふたりだけの湖
    ・道ばたの二人
    ・愛するひとはただ一人
    ・贈られた女
    ・繪本の騎士
    ・女神が死んだ日


    「道ばたの二人」は途轍もなく良いです。

    /10点

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